抄録
症例は41歳,女性.下血,嘔気,左下腹部痛を主訴に当院受診.腹部CTで腸閉塞とS状結腸の穿通に伴う後腹膜膿瘍と診断し,減圧チューブの挿入と膿瘍穿刺ドレナージを施行した.腸管が減圧され膿瘍腔が縮小したため,S状結腸部分切除術と後腹膜膿瘍debridementを施行した.術後経過は良好であったが,術後13日目にドレーンから大量出血を認め出血性ショックの状態となった.腹部CTと血管造影検査にて左外腸骨動脈仮性瘤破裂と診断し緊急手術を施行した.手術は感染巣の可及的debridementを行い,左外腸骨動脈仮性瘤を切除,閉鎖し,ついで右大伏在静脈をグラフトとして用いたfemoro-femoral cross-over bypassにて血行再建術を施行した.術後1年2カ月が経過した現在まで感染の再燃は認めず,左下肢への灌流も良好に維持されている.