抄録
症例は71歳,男性.嚥下時のつかえ感を主訴に近医受診,食道造影検査で食道の腫瘍を指摘され当科紹介となった.上部消化管内視鏡検査で,切歯列37cmの下部食道に易出血性の全周性の3型腫瘍を認め,CT検査では110,1,2番のリンパ節転移を認めたが,遠隔転移は認めなかった.以上より胸部食道癌Lt 3型T3N2M0StageIIIの診断で右開胸開腹食道亜全摘,胸骨後胃管再建,3領域郭清術を施行した.切除標本では5.3×5.2cm大の3型病変と4.2×2.6cm大の0-Ipl病変が横方向に隣接し,病理組織学検査で扁平上皮癌と神経内分泌細胞癌の衝突癌と診断した.現在,術後補助化学療法を施行中である.今回,われわれはまれな食道衝突癌の1例を経験したので報告する.