日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下に整復・切除した腸重積を伴う回腸inflammatory fibroid polypの1例
宮崎 健介藤田 文彦金高 賢悟高槻 光寿黒木 保江口 晋
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 1 号 p. 100-104

詳細
抄録

患者は70代,男性.2009年1月近医にて腹痛精査目的の腹部CTにて腸重積を指摘されたことがあった.2009年7月follow up CTにて腸重積の残存を認め当院紹介となった.回腸に腫瘤を先進部とする腸重積を認めたが,各種精査でも原因の確定診断には至らず,腹腔鏡下にて切除の方針とした.腸重積を整復し,小腸部分切除を施行した.整復・切除吻合は全て完全な腹腔鏡下に行った.先進部は摘出標本の病理組織診にてinflammatory fibroid polyp(以下,IFP)と診断された.小腸IFPはまれな疾患ではあるが,成人腸重積の原因として念頭に置くべきであると思われた.また小腸腫瘍は腹腔鏡手術のよい適応であり,腸重積合併例においても安全に施行可能であった.

著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top