日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡補助下幽門側胃切除術後に乳糜腹水と肺血栓塞栓症を合併した1例
小林 清二長佐古 良英高橋 学小笠原 和宏草野 満夫高橋 達郎
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2013 年 74 巻 1 号 p. 70-74

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抄録
症例は下肢静脈瘤の既往歴がある73歳,女性.早期胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)を施行した.術後乳糜腹水を合併したため絶食,オクレオチド投与による治療を開始した.術後10日目突然前胸部の不快感を訴えプレショック状態となった.肺血栓塞栓症(PE)と診断しヘパリン投与を開始した.乳糜腹水は難治性で保存的治療では改善しなかった.PEは改善傾向にはあったが,なお両肺動脈に血栓が残存しており乳糜腹水に対する手術治療は危険性が高かった.しかし術後2カ月経過してもドレーン排液が1日1L以上と多かったため,術後59日目に手術を施行した.術前,術中にエンシュアリキッドを投与して乳糜漏出部位を同定して結紮した.術後24時間後,出血がないことを確認してヘパリン投与を再開した.術後乳糜腹水は治癒しPEも軽快した.
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© 2013 日本臨床外科学会
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