日本臨床外科学会雑誌
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症例
エストリオール錠が有効であった直腸癌術後直腸膣瘻の1例
須浪 毅, 田内 潤, 坂下 克也, 雪本 清隆, 澤田 隆吾, 阪本 一次
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2013 年 74 巻 12 号 p. 3416-3419

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抄録
直腸癌術後の直腸膣瘻に対してエストリオール錠が有効であった症例を経験したので報告する.症例は58歳,女性.直腸癌に対し腹腔鏡補助下低位前方切除術を施行した.経口摂取を開始したところ,膣から便汁の排出を認めた.大腸内視鏡検査にて吻合部に3mm大の瘻孔を認め,ここから造影剤を注入すると膣が造影され,直腸膣瘻と診断.絶食,高カロリー輸液を行うとともに,エストリオール錠を処方した.20日目の瘻孔造影にて膣が描出されなくなり経口摂取を再開.5週間目には内視鏡所見上も瘻孔が閉鎖し,その後,再発を認めていない.
エストリオールはエストロゲンの分泌不足による膣の自浄作用を回復させたり,膣周囲の血流を増加させることによって瘻孔の治癒を促進する可能性がある.閉経後の女性に発生した,小さな直腸膣瘻症例では,エストリオール製剤を併用することで,治療期間の短縮,手術の回避につながる可能性があると考えられた.
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