抄録
症例は54歳の男性で,胃体上部早期胃癌に対し胃全摘,Roux-en-Y再建術を施行した.術後4カ月目に間歇的な上腹部激痛を主訴に来院した.触診で著明な上腹部圧痛と腹膜刺激症候を認め,血液検査で肝胆道系酵素と膵酵素が著明に上昇していた.腹部X線検査ではniveau像を認めなかったが,腹部造影CT検査で輸入脚の捻転と絞扼を認めたため緊急手術を施行した.術中所見ではTreitz靱帯からY吻合部までの空腸が腸間膜を軸に時計回りに180度捻転していた.捻転解除後,速やかに虚血腸管の色調は回復したため輸入脚を後腹膜に固定して手術を終了した.
Roux-en-Y再建後の輸入脚絞扼性イレウスは輸入脚が著明に拡張しても,嘔吐などの腸閉塞症状を欠き,腹部X線写真で無ガス性腸閉塞を示すため診断が困難である.腹部造影MDCT検査が診断に有用であった.