抄録
本研究は,虹という美しい自然現象の教育的役割を,表面的な光の屈折と分散の参考に止めるのではなく,物理学習者を魅了する光波の主役的な教材にまで高めるためのシナリオ設計である。"なぜ"を大切にする科学教育は,きちんと理解することによる面白さが満喫できねばならない。虻を見上げる角度の折り返す極大域が「尖がり屋根」でなく「ドーム」の頂上なので光が濃くなって虹が見える,という明確な学習者イコール観測者の視点に立つ。平行光線束が光を強めるという理解へいざなう方法には,実質陶冶から形式陶冶にまで踏み込んだ価値がある。これを動画(CG)教材化することで,従来は最小限の役割しか果たせなかった虹本来の教育的役割が果たせるようになる。動画教材ならば,学校児童への理科教育から大人への生涯教育にいたるまで広範に有効利用されるであろう。