日本臨床外科学会雑誌
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症例
Ladd手術後16年目に中腸軸捻再発をきたした腸回転異常症の1例
小久保 健太郎林 昌俊栃井 航也高橋 啓松本 光善
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2013 年 74 巻 6 号 p. 1533-1537

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抄録

症例は16歳の男性で,日齢3に腸回転異常症に伴う中腸軸捻転症に対し,Ladd手術を施行されたが,腸管固定は行われなかった.術後16年目に突然,腹痛・嘔吐を認め近医を受診し,腸閉塞診断で当院を受診した.腹部CT検査で上腸間膜静脈が上腸間膜動脈の左側に位置し,上腸間膜動脈を中心に腸管および腸間膜動静脈が渦巻き状に取り囲む像を認めた.腸回転異常症による中腸軸捻転症と診断し,緊急手術を施行した.空腸・回腸が反時計回りに540度捻転しており,上行結腸・下行結腸は後腹膜に固定されていなかった.腸管の壊死は認めず,捻転を解除し,再発予防のため,上行結腸を右傍結腸窩腹膜へ固定し手術を終了した.術後再発認めず経過している.腸回転異常症術後の再捻転はまれであるがLadd手術時に腸管固定を行うことを考慮しても良いと思われる.

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