日本臨床外科学会雑誌
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症例
トラスツズマブ療法中にHER2陰性肝転移をきたした胃癌の1例
川口 大輔高橋 正純山口 直孝村上 あゆみ林 宏行遠藤 格
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2013 年 74 巻 8 号 p. 2157-2161

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抄録
症例は75歳,女性.2011年6月,多発肝転移(S2,S3)を有する根治切除不能胃癌と診断され,DOC/S-1を施行した.2011年11月に,噴門側胃切除,肝外側区域部分切除を施行し,病理所見では,原発巣はpCR,肝転移巣2個のうち1つはpCR,1つはpPRであった.HER2発現は,原発巣(化学療法前生検標本)と肝転移巣ともに,IHC 2+,FISH陽性であった.術後4カ月後CEA,CA19-9が上昇し,肝右葉後区(S7)に最大径12mmの転移巣が出現した.Tmab+PTXを開始したが,60mm大に増大し,PDとなった.新病変の出現なく,単発転移であり,2012年9月に肝後区域切除術を施行した.HER2発現はIHC 0,FISH陰性であり,HER2陰性と診断された.HER2陽性胃癌原発巣とTmab療法を施行した転移巣におけるHER2発現を比較検討した報告は稀であり,文献的考察を加え報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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