日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
乳房温存術時断端擦過細胞診偽陽性症例の検討
笠川 隆玄藤森 俊彦尾崎 大介柴崎 正巳宇田川 郁夫
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 10 号 p. 2687-2692

詳細
抄録
乳房温存術時の術中断端細胞診の有用性の報告は多いが,偽陽性の存在も知られる.対象を2007年1月より2013年6月に乳房温存療法を行った乳癌症例271例とし当院の偽陽性症例の検討を行った.断端細胞診悪性17例(7.0%)中7例(2.9%)は最終病理診断断端陰性であり細胞診偽陽性と考えられた.その特性は平均年齢60.3歳(全温存症例:55.8歳),平均超音波腫瘍径16.8mm(同:15.3mm),画像上乳管内進展の疑いあり/なし:3例/4例,組織型 非浸潤性乳管癌2例・乳頭腺管癌2例・充実腺管癌2例・硬癌1例,核異型度Grade1/2/3:1例/2例/4例.全例5mm以上のmarginが確保されており,断端付近に悪性と診断され得る良性増殖性病変もなかった.同期間の穿刺吸引細胞診の偽陽性率は0.07%であり異なった特性が示唆された.断端細胞診を行う際はその特性の把握が肝要と思われる.
著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top