日本臨床外科学会雑誌
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症例
骨髄異形成症候群を背景とし抗凝固療法中に発症した上行結腸壁内血腫の1例
上村 和康萩尾 浩太郎磯野 忠大植田 猛芦沢 直樹中田 晴夏橘 充弘
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2014 年 75 巻 10 号 p. 2789-2794

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抄録
症例は79歳,男性.腹痛,下血にて当院救急外来受診.消化管出血・腹腔内出血を疑われたが,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS),慢性心不全,心房細動の既往があり,心不全の増悪,Warfarin内服による凝固障害を認めたため循環器科入院となった.入院後,腹膜刺激症状出現のため当科紹介受診,腹腔内出血の診断で緊急手術を行った.多量の血性腹水および上行結腸壁から腸間膜に径約15cmの血腫を認め,右結腸切除術を施行した.病理診断では出血の原因となる病変は認めず,MDSの易出血状態にWarfarinの凝固障害が合併して,腸管壁に血腫を形成し,管腔および腹腔内に穿破し出血をきたしたと考えられた.大腸壁内血腫の本邦報告例は41例で,血液疾患を合併する抗凝固療法が原因とされる報告例は極めてまれであり,文献的考察を加え報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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