抄録
目的 新聞記事の内容分析から世代間交流事業に対する社会的な関心の変遷を把握したうえで,質問紙調査から世代間交流事業の現状と課題について明らかにする。
方法 全国紙 3 紙(朝日新聞,読売新聞,毎日新聞)を対象に「世代間交流事業」に関する339記事を抽出し,記事量と内容の変化を調べた。さらに,新聞記事で見出された56事例の世代間交流事業主催者を対象に世代間交流事業の現状と課題ついて郵送調査を行った。交流事業の課題については,クラスター分析により分類をした。
結果 新聞の内容分析からは,社会政策に応じて,90年代末から今日まで世代間交流事業の記事が増加している傾向が示された。質問紙調査の結果からは,交流事業の多くが単発で不定期的なものであることが示された。また,世代間交流事業の 4 つの課題(①世代間ギャップの問題,②運営の課題,③交流プログラムの問題,④参加者確保の問題),がそれぞれ見いだされた。
結論 世代間交流事業に対する社会的関心の高まりが認められる一方で,これまでの交流事業は単発で不定期的なものが多く世代間事業の課題を抱えていることが示された。これらの課題について,縦割り行政を解消するとともに,地域のコーディネーターを配置することが必要になろう。