抄録
78歳の女性.1997年に膵体部12cmのsolid pseudopapillary neoplasm(漿膜浸潤なし,リンパ節転移なし,破裂なし)に対し膵体尾部切除術を施行した.2010年のCTで上行結腸前面に6mmの結節が出現し,その後16mmに増大したため,2013年3月に腹腔鏡下腫瘤摘出術を施行した.同腫瘤は病理学的に1997年の切除標本に類似しており,synaptophysin,vimention,β-catenin,CD10に陽性,AE1/AE3,chromogranin Aに陰性,Ki-67 labeling indexは5%であった.再手術から3カ月後横隔膜面に6箇所の再発腫瘤を認め,さらに摘出術を施行した.本疾患の腹膜播種転移の報告例は稀で,自験例は16年が経過しているが,生物学的高悪性転化の所見は認めなかった.