日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡補助下に切除した小網原発GISTの1例
湯浅 康弘沖津 宏蔵本 俊輔松本 大資富林 敦司後藤 正和
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 5 号 p. 1244-1249

詳細
抄録
症例は71歳の女性で,2006年に不安定狭心症のため冠動脈バイパス術を行った.術前CTで胃小弯側に5cm大の充実性腫瘍を認め,外科紹介となった.消化管内視鏡,透視では胃の粘膜下腫瘍の診断でGISTを疑った.超音波内視鏡,血管撮影,MRI等は同意が得られなかった.腹腔鏡下に観察すると,小網内に浸潤傾向のない可動性良好な腫瘤を認め,肉眼上胃と明らかな連続性はないものの近接していた.播種を危惧し7cmの小開腹をおき胃を部分切除し腫瘍を切除した.病理組織検査でも腫瘍は胃との連続性はなく紡錘形細胞からなり,免疫組織染色でc-kit・CD34陽性,S-100,DesminおよびSMAは陰性であった.アルコール固定標本より直接シークエンスを行い,exon11の3塩基欠失によるcodon579の1アミノ酸が欠損した小網原発GISTと診断した.術後経過は良好で,72カ月以上無再発生存中である.
著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top