日本臨床外科学会雑誌
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症例
先天性胆道拡張症術後26年で発症した残存膵内胆管癌の1例
佐藤 洋土屋 嘉昭野村 達也梨本 篤
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1670-1673

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抄録
症例は58歳,男性.32歳時に先天性胆道拡張症に対して肝外胆管切除・肝管空腸吻合術の既往あり.食思不振を主訴に他院受診し,膵頭部腫瘤を指摘され当院紹介.CTで膵頭部に拡張した総胆管および同部に接する40mm大の腫瘤性病変あり.MRCPでは腫瘍近傍に拡張膵内胆管が描出された.先天性胆道拡張症術後の残存膵内胆管癌と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理検査結果では,No. 16リンパ節に転移を伴う進行下部胆管癌であった.現在補助化学療法中であり,術後5カ月現在再発はみられていない.本邦の先天性胆道拡張症の術後発癌報告を検討すると,戸谷分類I型の発癌例では残存膵内胆管からの発癌例が4例中3例を占めていた.初回手術時の残存膵内胆管長を短くすることで発癌抑制できると考えられるため,膵管直上での胆管切除の順守が重要である.
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© 2014 日本臨床外科学会
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