日本臨床外科学会雑誌
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症例
海綿状血管腫と鑑別困難であった甲状腺乳頭癌脳転移の1例
下之薗 将貴有馬 豪男中条 哲浩平田 宗嗣喜島 祐子夏越 祥次
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2014 年 75 巻 8 号 p. 2120-2124

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抄録
今回われわれは,海綿状血管腫と鑑別困難であった甲状腺乳頭癌脳転移の1例を経験し,外科的治療および放射線療法の活用により,良好な長期予後が得られたため報告する.症例は63歳女性.初発症状は尿失禁で,MRIにて右前頭葉に嚢胞性病変を認め陳旧性出血と診断された.その後,記名力低下・見当識障害・左上下肢脱力・歩行障害が出現し,頭部CT・MRIの結果,海綿状血管腫と診断され,腫瘍摘出術を施行した.最終病理で転移性腺癌と診断され,腫瘍摘出部位にサイバーナイフ治療を追加した.原発巣検索を行い,頸部超音波検査で甲状腺右葉下極に19mm大の低エコー腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診で甲状腺乳頭癌と診断された.甲状腺全摘術を施行し,術後にI-131内用療法を行った.術後1カ月目に尿失禁が再出現し,MRIで脳転移再燃がみられ,サイバーナイフで症状は消失した.発症より3年が経過した現在,明らかな再発・転移所見はみられていない.
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© 2014 日本臨床外科学会
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