抄録
症例は71歳,女性.10年前から腹部腫瘤を指摘,無症状であり画像上変化を認めないため,経過観察となっていた.1カ月前より腹部膨満感が出現.腹部CTにて左側腹部に22×15cm大の腫瘤と左水腎症を認め,腫瘤増大傾向のため精査・加療目的で当科紹介.腫瘤は左腎,左尿管を腹側に圧排し,内部に隔壁を持つ多房性の腫瘤であり,後腹膜嚢胞性腫瘤の診断で手術となった.腫瘤は小児頭大で,S状結腸間膜背側から左側腹部,左横隔膜下まで多房性に連なっており,後腹膜腫瘤摘出術を施行.腫瘤内部は褐色混濁の液貯留を認め,腫瘤壁は壊死様であった.術後病理検査では異型細胞は認めず,黄色肉芽腫性炎症反応を示す腫瘤性病変との診断であった.術後半年経過した現在,再発所見は認めていない.