日本臨床外科学会雑誌
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症例
幽門狭窄で発症した胃異所性膵原発腺癌の1例
矢内 勢司橘 強中右 雅之洲崎 聡光吉 明柳橋 健益澤 尚子濱田 新七
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キーワード: 幽門狭窄, 異所性膵, 腺癌
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2015 年 76 巻 1 号 p. 37-42

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抄録
症例は62歳,女性.嘔気を主訴に近医受診され,上部消化管内視鏡検査にて胃の器質的通過障害を疑い,当院紹介となった.上部消化管内視鏡検査では胃前庭部から幽門輪にかけて粘膜下腫瘍を疑う隆起性病変を認めたが,4度の生検にもかかわらず悪性所見はみられなかった.腹部造影CT検査では胃前庭部に淡い造影効果を有する限局性肥厚を認め,粘膜下腫瘍を疑った.胃粘膜下に浸潤する低分化型腺癌を疑い,狭窄症状の改善および確定診断目的で開腹術を施行したところ,胃前庭部に腫瘍の漿膜面への露出を認めたため,D2リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除術を施行した.摘出標本の病理組織学的検査で,胃異所性膵原発の腺癌と診断した.胃異所性膵からの癌化の報告例は稀である.本症例では術前診断が困難であった.術前診断困難な粘膜下腫瘍様の病変による幽門狭窄では胃異所性膵からの癌化も念頭に置く必要がある.
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© 2015 日本臨床外科学会
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