日本臨床外科学会雑誌
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症例
妊娠期に急速増大した乳腺線維腺腫(15cm)の1例
田中 綾雨宮 剛平松 聖史後藤 秀成関 崇酒井 優新井 利幸
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2015 年 76 巻 10 号 p. 2373-2377

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抄録
症例は30歳,女性.2010年6月,左乳房に2.5cm大の腫瘤を自覚し近医を受診.吸引式乳房組織生検(VAB)で管周囲型線維腺腫と診断し経過観察した.1カ月後に妊娠し,腫瘍の増大を認めたが妊娠によるものと判断し経過観察した.妊娠8カ月に15cm大に増大したため,再度VABを施行.良性の増殖性病変と診断したが,急速増大していることから葉状腫瘍も否定できず,手術目的に当院紹介となった.左乳房外側上方を中心に15cmの腫瘍を認め,乳腺エコーで境界明瞭平滑,内部不均一な腫瘤,MRIでは境界明瞭で乳腺組織を内尾側に圧排する分葉状腫瘤を認め,T2強調像で腫瘤の内部が不均一で変性が強いことより葉状腫瘍を疑った.妊娠週齢を考慮し,32週に全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的検査では管周囲型線維腺腫であった.今回われわれは,妊娠期に急速増大した繊維腺腫の1例を経験したので若干の文献的考察を含め報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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