抄録
67歳,女性.24歳時に胆石症で胆嚢摘出術(術後3カ月の入院).半年後に閉塞性黄疸となり,左肝管十二指腸吻合・胃空腸吻合・胆管内チューブ留置術を施行.2010年12月,肝胆道系酵素の上昇を契機に胆管癌と診断.CTでは肝門部から膵内に至る辺縁優位に濃染する低吸収腫瘤が,膵・十二指腸へ浸潤していた.上部消化管内視鏡では,下行脚に易出血性不整粘膜を認め,生検結果は腺癌であった.2011年2月,肝右葉切除・尾状葉切除・膵頭十二指腸切除を施行.病理診断は,膵・十二指腸に浸潤する低分化型腺癌で,膵頭部周囲リンパ節転移陽性であった.補助療法は施行せず,術後50カ月無再発生存中.左肝管十二指腸吻合部が開存していたため,局所進展が高度でも黄疸発症しなかった.長期のステントチューブ留置が,慢性刺激となり発癌した可能性がある.進展度に応じた術式選択が重要である.