抄録
症例は71歳,女性.2000年,左乳癌に対し乳管腺葉区域切除術施行.IDC・pT2NXM0と診断され,残存乳房への放射線照射および術後補助内分泌療法が施行された.術後12年目に左鎖骨上リンパ節腫大が指摘され,乳癌再発が疑われ当科紹介となった.超音波検査にて最大14.0mm大のリンパ門を認めないリンパ節が散見された.乳癌腫瘍マーカーは基準値以内であった.PET-CTで左鎖骨上窩に異常集積を認め,乳癌リンパ節再発が疑われた.鎖骨上リンパ節の穿刺吸引細胞診は良性の判断であったが,確定診断のため摘出生検を施行した.術後病理検査で悪性所見なく,類上皮肉芽腫を認め,QuantiFERON TB-2G (QFT)陽性であり,結核性リンパ節炎の診断に至った.乳癌術後鎖骨上リンパ節腫大を診た時には,良悪の鑑別を行い整合性が得られない場合には生検も含め精査を進めることが肝要と思われた.文献的考察を加え報告する.