抄録
症例は47歳,女性.3年前に他院で子宮内膜症と子宮筋腫に対し左付属器切除,子宮摘出術の既往がある.発熱と右下腹部痛を主訴に当院を受診した.血液検査で炎症反応の上昇を認めたが,腫瘍マーカーは正常値だった.腹部造影CTで上行結腸に接して,造影効果の高い約6cmの壁外発育性の腫瘤を認めた.大腸内視鏡検査では,明らかな粘膜病変は認めなかった.悪性腫瘍も否定できないことから開腹手術を行った.結腸間膜内に上行結腸と横行結腸に付着した球型の腫瘤を認め,所属リンパ節も目立ったことから,D3リンパ節郭清を含む結腸右半切除術を施行した.病理組織検査では,上行結腸の筋層内に子宮内膜組織が散在し,上行結腸子宮内膜症と診断した.所属リンパ節13個にも子宮内膜組織を認め,その分布からリンパ行性に内膜組織が進展したと考えられた.腸管子宮内膜症に所属リンパ節病変を伴うものは稀であり,文献的考察を加え報告する.