日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下低位前方切除術を施行した後腹膜線維症併存直腸癌の1例
西口 由希子, 向川 智英, 中谷 充宏, 高 済峯, 石川 博文, 渡辺 明彦
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2015 年 76 巻 12 号 p. 3038-3041

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抄録
今回,後腹膜線維症に併発した早期直腸癌に対し,腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は65歳,女性.両下腿浮腫を自覚し近医を受診したところ,著名な腎機能障害を指摘され当院内科紹介.精査の結果,後腹膜線維症による両側水腎症,腎萎縮と診断され維持透析導入となった.悪性病変の検索で径2cm大の直腸癌が発見され当科紹介となり,腹腔鏡下低位前方切除術,D2郭清を施行した.後腹膜線維症併存により後腹膜が浮腫,線維化のため肥厚し,膜の層構造が消失し血管や尿管,神経の同定剥離は困難であり,捜査の工夫を行いながら手術を施行しえた.後腹膜線維症併存の大腸癌に対する腹腔鏡下手術は通常より難易度は高いが,腹腔鏡の拡大視・近接視効果を利用し,十分な解剖学的理解に基づいた手術操作と適切な器具の選択により施行可能な術式と考えられた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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