日本臨床外科学会雑誌
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症例
胆嚢癌との鑑別が困難であった孤立性IgG4関連胆嚢炎の1例
山口 貴久萱原 正都古河 浩之佐藤 就厚大西 一朗大山 繁和笠島 里美川島 篤弘
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2015 年 76 巻 12 号 p. 3042-3046

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抄録

症例は50歳,男性.心窩部痛を主訴に当院を受診した.腹部US検査にて胆嚢体部に扁平な高エコーの隆起性病変を認めた.造影CTにて胆嚢体部から底部にかけて,びまん性の壁肥厚を認めた.PET-CTでは胆嚢底部にSUVmax 2.9の淡い集積を認めた.MRIでは拡散強調画像にて胆嚢に高信号を認めた.胆嚢癌を否定できず開腹胆嚢摘出術を行った.胆嚢壁はびまん性に肥厚しており,病理組織学的検査では悪性所見はなく,広範な形質細胞とリンパ球,好酸球の浸潤および線維化を認めた.免疫染色にてIgG4染色で多数の陽性細胞を認め,IgG4関連胆嚢炎と診断した.その他臓器にて所見を認めず孤立性であることが分かった.

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© 2015 日本臨床外科学会
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