日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
微細石灰化のみを呈する乳腺病変の診断における乳房MRIの有用性の検討
角田 ゆう子片山 信仁坂本 尚美福間 英祐星 和栄
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2015 年 76 巻 2 号 p. 239-244

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抄録

微細石灰化のみを呈する乳腺病変におけるMRIの有用性を検討するために,ステレオガイド吸引式乳腺生検(ST-VAB)の病理組織所見とMRI所見を比較検討した.対象とした68例のマンモグラフィ石灰化を集簇性49例と区域性19例に分けて検討した.病理組織所見は良性44例,境界病変6例,非浸潤癌15例,浸潤癌3例であった.68例中MRI所見が要生検の所見は28例で,境界病変を含む悪性は19例(68%)であった.MRIの精度は,集簇性石灰化と区域性石灰化で感度79%と80%,特異度77%と86%であった.MRI偽陰性症例は5例(偽陰性率21%:95%IC5-37%)で,病理組織所見は境界病変であった.初回指摘の微細石灰化病変において乳房MRI検査の結果が良性であれば生検は不要であり,その後の経過観察中に微細石灰化が増加した場合に生検の適応となる.

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