日本臨床外科学会雑誌
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症例
幽門側胃切除術後に特発性血小板減少性紫斑病が寛解した胃癌の1例
丹羽 真佐夫林 昌俊栃井 航也小久保 健太郎高橋 啓
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2015 年 76 巻 3 号 p. 510-514

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抄録
症例は64歳,男性.6年前に近医で特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)と診断されたが,無治療で経過観察されていた.食欲不振,黒色便を認めたため精査加療目的で当院紹介された.上部消化管内視鏡検査で胃前庭部大彎側に約35mm大の2型腫瘍を認め,生検結果は中~高分化腺癌だった.胃癌取扱規約第14版よりcT2(MP),cN0,cM0,cStage IBと術前診断した.術前にステロイドと大量免疫グロブリン投与を施行し,幽門側胃切除術を無輸血で安全に施行しえた.術後経過は良好で,ステロイド投与は漸減し術後2週間後に終了としたが血小板数はさらに増加を認めた.現在,術後約2年半で外来経過観察中だが,血小板数10万/μl以上を維持している.
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© 2015 日本臨床外科学会
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