抄録
症例は66歳,男性.前庭部の胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除を施行した.術後第6病日に発熱とCRPの上昇を認め,CTで膵液瘻による腹腔内膿瘍の診断となったため,まず保存的治療を行った.一時,炎症反応は沈静化したが,第17病日に再燃したため,ドレナージの適応と判断した.しかし,経皮的穿刺のための安全なルートが確保できないため,超音波内視鏡ガイド下ドレナージを施行した.その後,速やかに解熱とCRPの低下がみられ,CTで貯留液の著明な減少を認めたため第47病日に退院した.
胃癌術後の膵液瘻に対して,保存的治療で軽快せず,かつ経皮的穿刺によるドレナージが困難な場合には,超音波内視鏡ガイド下ドレナージが治療の選択肢の一つとなり得ると考えられた.