日本臨床外科学会雑誌
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症例
検診でのバリウム検査後に大腸穿孔をきたした1例
馬場 卓也梅枝 覚野地 みどり山本 隆行湯澤 浩之中山 茂樹
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キーワード: 大腸穿孔, バリウム
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2015 年 76 巻 4 号 p. 813-816

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抄録

症例は46歳,女性.検診で上部消化管造影検査を施行した.翌日,腹痛を主訴に当院を受診された.腹部単純X線とCTにてS状結腸に多量のバリウム貯留像を認めた.明らかな腹水,free airなどの所見は認めなかった.緊急下部消化管内視鏡検査を施行,S状結腸まで到達するもバリウム塊は陥頓していた.腹痛が増強し腸管穿孔も懸念されたため緊急手術を行った.S状結腸でバリウム塊が露出していたため,これを摘出すると3cmの穿孔を認めた.Hartmann手術と腹腔内洗浄・ドレナージ術を施行した.術後ストマ近傍に感染性血腫を発症し経皮的ドレナージを要したが,DICなど大腸穿孔に見られる重篤な全身状態には至らなかった.大腸穿孔は憩室や腫瘍など既存の疾患が関与する場合が多く,バリウムにより穿孔する報告例は少ない.集団検診時の上部消化管造影検査におけるバリウムの停滞で大腸穿孔を発症した症例を経験したので報告する.

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© 2015 日本臨床外科学会
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