日本臨床外科学会雑誌
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症例
診断が困難だった大腿骨人工骨頭置換術後の閉鎖孔ヘルニアの1例
三上 和久古田 浩之中村 崇
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2015 年 76 巻 4 号 p. 931-935

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抄録
症例は79歳,女性.両側の大腿骨人工骨頭置換術と複数の腹部手術歴があった.2日間持続する腹痛と嘔吐にて紹介搬送され,腹部CTから癒着性イレウスと診断された.骨盤底はアーチファクトの影響で読影困難だった.しかし,改めてアーチファクトの影響が少なくなるようCT条件を調整したところ,左閉鎖孔に嵌頓する小腸を同定することが可能となり,超音波検査とあわせて左閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断を改め,即日緊急手術となった.人工物によるアーチファクトの影響で一見読影困難にみえても,CT条件の調整と超音波検査を併用することで,アーチファクト部でも積極的に読影することが重要であると考えられた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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