抄録
症例は48歳,男性.発熱を主訴に近医受診.胸部X線写真で左全肺野に無気肺を伴う肺炎像を認めた.胸部CTにて左主気管支内に腫瘤性病変を疑う所見があり,気管支鏡検査で左主気管支をほぼ閉塞するポリープ状の腫瘍性病変を認めた.気管支鏡の所見から良性腫瘍が疑われ,気管支鏡下切除術目的で当科紹介となった.全身麻酔下に高周波スネアによる切除術を施行し低悪性度粘表皮癌の診断を得た.左肺炎の改善を待って,二期的に根治術として左主気管支管状切除術を施行した.現在術後5年6カ月経過するが再発は認めていない.二期的に手術することにより術前に正確な診断が得られ,肺炎の改善を待ったことにより術後合併症なく経過した.閉塞性肺炎を伴う低悪性度の気管支腫瘍に対しては,二期的手術も考慮すべき方法と考えられた.