日本臨床外科学会雑誌
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症例
転倒を契機に発症した食道粘膜下血腫の1例
廣澤 貴志高橋 道長後藤 慎二上野 達也佐藤 俊内藤 広郎
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2015 年 76 巻 6 号 p. 1343-1347

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抄録
症例は84歳,女性.パーキンソン病と認知症にて当院神経内科通院中であったが,前夜に屋外を徘徊して転倒し,前胸部痛と嚥下困難のため救急搬送された.造影CTにて後縦隔に長楕円体状の腫瘤(4×4.5×12cm)を認め,食道粘膜下血腫の診断にて保存的治療の目的で入院となった.3病日のMRIでは,後縦隔にT1強調画像で低信号の中に高信号を呈し,4病日の上部内視鏡検査では,中部食道に内腔3/4以上を占拠する表面が暗赤色の粘膜下隆起性病変を認めた.保存的加療を行ったところ,11病日のCTでは病変は著明に縮小し,14病日の上部内視鏡検査では,粘膜下隆起性病変の縮小と縦走潰瘍の出現を認めた.嚥下困難は経時的に改善し,22病日に自宅退院した.発症1カ月後の内視鏡検査では,ほぼ正常な食道粘膜と内腔であった.今回われわれは,成因としては稀な外傷によって発症したと考えられる食道粘膜下血腫を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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