日本臨床外科学会雑誌
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症例
誤飲陶磁器による十二指腸水平脚穿通の1例
友杉 俊英川瀬 義久宇野 泰朗日比野 壯貴大河内 治坪井 賢治
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キーワード: 陶磁器, 異物, 十二指腸穿通
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2015 年 76 巻 6 号 p. 1369-1372

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抄録

症例は56歳,男性.精神発達障害があり意思疎通は困難で,障害者福祉施設にて生活されていた.朝食時に陶磁器製の茶碗を破損,施設職員が片付けた際に径40mmほどの破片が見当たらないため,誤飲の可能性について考慮され当院救急外来受診した.胸腹部X腺検査では明らかな異物は指摘されなかった.翌日,発熱にて再度当院救急外来受診した.腹部CT検査にて十二指腸水平脚に径50mm×30mm程度の異物を認め,十二指腸壁周囲の脂肪織濃度上昇を認めたため,誤飲陶磁器による十二指腸水平脚穿通と診断し,同日緊急手術を施行した.十二指腸水平脚に長軸方向に2cm程度の切開を加え異物を摘出,切開部は短軸方向に縫合閉鎖した.術後経過は良好で,合併症無く経過し退院となった.今回われわれは,誤飲陶磁器による十二指腸水平脚穿通の稀な1例を経験したので,若干の文献的考察も含めて報告する.

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