2015 年 76 巻 6 号 p. 1474-1478
症例は74歳,女性.下痢,食欲不振で前医を受診し,黄疸を指摘され当院を紹介受診した.腹部CTにて胆道気腫を認め,内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)では萎縮した胆嚢と連続して結腸肝彎曲部が造影された.下部消化管内視鏡検査では横行結腸右側に瘻孔開口部を認め,瘻孔造影検査にて胆嚢と総胆管が造影された.以上より,胆嚢結腸瘻と診断し腹腔鏡下に手術を施行した.胆嚢と横行結腸との間に瘻孔を認め,自動縫合器を用い処理し,胆嚢摘出術を施行した.術後経過は良好で術後11日目に退院した.胆嚢結腸瘻に対する腹腔鏡下手術は有用であると考えられた.