日本臨床外科学会雑誌
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症例
原因不明の横隔膜下膿瘍の1例
吉田 佐智子横山 邦雄西田 十紀人生田 肇
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2015 年 76 巻 7 号 p. 1633-1638

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抄録
症例は70歳の女性.1週間前より継続する左背部痛を主訴に近医を受診し,胸部X線検査で左横隔膜の挙上を指摘され,炎症反応の上昇も認めたため精査加療目的に紹介となった.来院時,血液検査で炎症反応の著明な上昇を認め,画像検査で肝表面のfree airと左横隔膜下に液面形成を伴う空洞性腫瘤を認めた.消化管穿孔の可能性も考慮したが,上部消化管内視鏡検査・下部消化管内視鏡検査ともに穿孔部は確認できず,その他に感染源を疑う所見を認めなかったため,原因不明の横隔膜下膿瘍と診断した.経皮的腹腔内ドレナージを施行,抗生剤を投与し保存的加療を継続した結果,軽快退院となった.横隔膜下膿瘍の原因は消化管穿孔や胆嚢炎,膵炎などが挙げられるが,稀な原因として異所性Meckel憩室や異所性虫垂炎などの報告がある.本症例は原因不明で特発性であると考えられるが,原因検索時には稀な疾患も念頭に置いたうえで診療にあたる必要がある.
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