日本臨床外科学会雑誌
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症例
Upside-down stomachが自然修復した食道裂孔ヘルニアの1例
宇野 耕平小村 伸朗飯野 年男久保 寿朗西田 貞之矢永 勝彦
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2015 年 76 巻 7 号 p. 1673-1678

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抄録
症例は83歳,女性.3年前に食後の嘔吐と経口摂取不良を主訴に来院した.精査の結果,upside-down stomachと横行結腸の脱出を伴うtype IV食道裂孔ヘルニアと診断された.保存的加療後,upside-down stomachは自然に修復された.しかし,脱出した横行結腸に十二指腸が圧排されて通過障害をきたし,固形物を摂取すると嘔吐してしまうため,手術目的に当科を紹介され腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術とToupet法による逆流防止術を行った.術後経過は良好であり,術後4日目から流動食を再開し,術後9日目から全粥食を摂取した.他臓器の脱出を伴う食道裂孔ヘルニアは,時に経口摂取不良の原因となりうるが,本症例のようにupside-down stomachが自然整復し横行結腸のみが脱出する経過は極めて稀であるため,文献的考察を含めて報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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