抄録
症例は40代の女性であり,乗用車運転中に腹部を打撲し,救急搬送された.来院時ショック状態であり,腹部造影CT検査にて,腹腔内出血を伴う膵実質と十二指腸球部断裂の所見を認め,緊急手術を施行した.初回手術はdamage control surgery(以後,DCS)とし,二期的に再建手術を施行した.膵実質は門脈右縁で断裂していたため,膵空腸吻合および十二指腸憩室化手術とした.
文献的に,膵・十二指腸損傷に対する再建術式としてのコンセンサスはないが,可及的に膵機能温存を目指した術式を選択すべきである.また,DCSを先行させることにより,二期的な再建が安全に行える可能性がある.