抄録
症例は65歳,女性.検診で貧血を指摘され近医を受診し,下部消化管内視鏡検査で横行結腸平滑筋肉腫の診断となった.当院紹介となり,2013年9月に腹腔鏡下横行結腸部分切除術を行った.切除標本の病理組織検査は平滑筋肉腫の診断で,断端は陰性であった.2014年1月の腹部造影CTで横行結腸に20mmの腫瘤を認め,平滑筋肉腫再発の診断で同3月にD2郭清を伴う開腹結腸右半切除術を行った.前回吻合部の5mm口側と上行結腸間膜内に腫瘍を認めた.病理組織検査で壁内および壁外転移による再発の診断となった.平滑筋肉腫の手術治療は,腫瘍の完全切除により断端の陰性を確保することが一般的であるが,自験例を考慮すると,腫瘍から十分な切除距離を確保する必要性があることが示唆された.今回われわれは,非常に稀な転移形式をとった横行結腸平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する.