日本臨床外科学会雑誌
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症例
胆石イレウスを契機として発見された胆嚢結腸瘻に併存した胆嚢癌の1例
西崎 大輔水野 克彦坂田 晋吾武田 亮二高橋 滋
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2016 年 77 巻 1 号 p. 174-179

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抄録
症例は76歳,女性.腹痛を主訴に救急外来を受診した.胆嚢総胆管結石症で内視鏡的乳頭切開術を受けた既往があったが,胆嚢は摘出されていなかった.腹部CTで胆道気腫およびS状結腸内の結石様陰影を認め,そこより口側の腸管が拡張しており,胆石イレウスと診断した.下部消化管内視鏡を用いて砕石し,閉塞を解除した.胆嚢結腸瘻から胆石が落下したと考えられ,胆摘および結腸部分切除術を行った.高度の炎症と線維化を伴い胆嚢底部と横行結腸が瘻孔を形成していた.摘出標本では胆嚢体部を中心に漿膜下層へ浸潤する胆嚢癌を認めたが,胆嚢結腸瘻への腫瘍進展は認めなかった.術後1年で再発を認めていない.胆石イレウスは高齢女性に多く発生し,結石除去術が第一選択として行われるが,内胆汁瘻に胆嚢癌が併存する可能性があり,状態が許せば胆道手術を行うべきである.
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