日本臨床外科学会雑誌
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症例
Lenvatinibを投与した治療抵抗性再発甲状腺未分化癌の1例
小野田 尚佳徳本 真央野田 諭大平 豪柏木 伸一郎平川 弘聖
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2016 年 77 巻 2 号 p. 291-295

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抄録

甲状腺未分化癌(anaplastic thyroid cancer:ATC)は,急速に進展し,ほとんどの治療には抵抗性を示すため予後は不良で,これまで治療方針は確立できていなかった.多分子標的薬Lenvatinibが使用可能となったが,これまでの治療とは異なった有害事象が出現するため,投与に当たっては十分な注意が必要である.腫瘍に近接した大血管からの出血は致死的となる可能性も高く,広く注意喚起がなされている.66歳,女性.化学療法,手術,放射線外照射による集学的治療後,治療抵抗性の再発に対してLenvatinibが奏効したが,総頸動脈破綻が見られ手術および鎖骨下動脈へのステント内挿術による緊急処置により救命しえた.集学的治療により長期生存が得られた今回の経験から対処法や考慮すべきポイントを考察した.

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