日本臨床外科学会雑誌
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症例
鼠径部腫瘤にて発見された悪性腹膜中皮腫の1例
齋藤 博紀阿部島 滋樹
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2016 年 77 巻 2 号 p. 447-453

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抄録
症例は76歳,女性.徐々に増大する左鼠径部腫瘤を自覚し近医を受診し,当科紹介受診.左鼠径部にピンポン玉大の弾性硬の腫瘤を触知.鼠径ヘルニアを疑い,用手還納を試みたが還納できなかった.単純CTで,左鼠径部に腫瘤影と腹腔内に連続する腹膜肥厚像を認めた.左鼠径ヘルニアの大網または左卵巣嵌頓の診断で腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)を施行.左外鼠径ヘルニアだったが卵巣や大網の嵌入は認めなかった.ヘルニア嚢を牽引するとヘルニア嚢内に腹膜結節を認め,切除した.鼠径部腫瘤はヘルニア内容物ではなかったので左鼠径部を横切開すると,浅鼠径輪の近傍に腫瘤を認めた.腫瘤はヘルニア嚢内に存在していたため前方より腫瘤を摘出.鼠径ヘルニアは定型的に腹腔内よりメッシュを挿入し修復した.病理組織検査で鼠径部腫瘤,腹膜結節ともに上皮型の悪性腹膜中皮腫であった.鼠径部腫瘤にて発見された悪性腹膜中皮腫の1例を経験したので報告する.
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