日本臨床外科学会雑誌
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症例
異時性4重複癌を併発した膵管内乳頭粘液性腫瘍の1例
門馬 浩行矢野 誠司西 健藤井 敏之田島 義証
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2016 年 77 巻 2 号 p. 441-446

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抄録
症例は73歳,女性.1998年に子宮体癌,2005年に両側乳癌で手術歴あり.1998年の術前検査で膵鉤部に分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を指摘されていた.2006年に膵体部管状腺癌を発症したが,IPMNに悪性変化はなく尾側膵亜全摘術施行された.再発なく経過していたが,2009年の定期受診時に血便と肛門部痛を訴えたため,肛門鏡を行ったところ肛門管癌を指摘された.左鼠径部に腫大したリンパ節を認めた.IPMNに変化はなかった.肛門管癌の診断で腹会陰式直腸切断術と左鼠径部リンパ節摘出術を施行したが,9カ月後に再発死亡した.IPMNはmalignant potentialを有するとともに,他臓器悪性腫瘍を高率に合併することが知られている.3臓器以上の多重複癌の報告は稀であるが,IPMN症例では併発した悪性疾患が予後を規定するとの報告もあり,膵臓のみならず他臓器を含めた注意深い経過観察が必要である.
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© 2016 日本臨床外科学会
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