日本臨床外科学会雑誌
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症例
下部消化管内視鏡検査を契機に横行結腸が嵌頓した巨大右鼠径ヘルニアの1例
木庭 遼自見 政一郎大畑 佳裕亀井 隆史
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2016 年 77 巻 2 号 p. 454-458

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抄録
症例は72歳,男性.下部消化管内視鏡検査を施行中に,右鼠径部から陰嚢にかけて膨隆が出現した.陰嚢が20cm大に腫脹しており,腹部CTより大網と結腸が嵌頓した右鼠径ヘルニアと診断した.用手還納は困難であり,全身麻酔下に緊急手術を施行した.BMI 35と高度肥満で,巨大な嵌頓ヘルニアであったことから,下腹部正中切開および鼠径部の両方からのアプローチが必要であった.ヘルニア内容は大網の大部分と横行結腸であった.大網を一部切除し,横行結腸が損傷して開いた小孔から腸管内容を吸引し腸管の減圧を図ることで,腹腔内へ還納した.小孔を閉鎖後,iliopubic tract repair法で鼠径ヘルニアを修復した.術後に呼吸不全を合併したが短期間で軽快した.下部消化管内視鏡検査の合併症としてヘルニア嵌頓の報告はまれである.さらに,横行結腸が鼠径ヘルニアに嵌頓した症例に関しても非常にまれであり,文献的考察を含め報告する.
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