抄録
症例は43歳,女性.4年前に右C領域の線維腺腫と診断され,定期的に経過観察を行っていた.今回,微細分葉状変化と内部不均一所見の増悪を認めたため,局所麻酔下に腫瘍摘出術を施行した.病理所見では,2.2cmの線維腺腫内に3mmの浸潤性乳管癌と散在性に非浸潤性乳管癌を認め,carcinoma arising within fibroadenomaと診断された.浸潤癌が切除断端に近接しており,後日,追加切除とセンチネルリンパ節生検を施行した.術後はtamoxifenによるホルモン療法と温存乳房への放射線照射を施行した.線維腺腫内に癌が発生することは非常に稀であり,今回われわれは線維腺腫内に発生した浸潤性乳管癌の1例を経験したので報告する.