日本臨床外科学会雑誌
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症例
脾嚢胞を伴う遊走脾による脾捻転の1例
井上 真帆福田 賢一郎葛原 啓太原田 憲一岩田 譲司山岡 延樹
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キーワード: 遊走脾, 脾捻転, 脾梗塞
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2016 年 77 巻 7 号 p. 1797-1801

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抄録
脾嚢胞を伴う巨大な遊走脾が捻転による脾梗塞をきたし,脾臓摘出術を行った1例を報告する.症例は48歳のコロンビア出身の女性.突然の腹痛を主訴に救急受診した.腹部造影CTでは12×12cmの嚢胞を伴う20×16cmの巨大な遊走脾が中腹部を占拠していた.脾実質は造影不良となっており,脾門部に明瞭なwhirl signを認めた.1年前にも腹痛で受診し12cmの嚢胞を伴う遊走脾を指摘されていたが,造影CTでは脾動静脈に捻転所見を認めず脾の造影効果は良好であり経過観察となっていた.遊走脾に伴う脾捻転および脾梗塞と診断し緊急手術を施行した.腹腔内に混濁腹水の貯留を認め,腫大緊満した巨大な脾臓が腹部を占拠していた.脾門部で時計回りに3回転半(1260°)の捻転をきたしており,捻転解除後も脾臓の色調は不良であったため壊死と判断し脾臓を摘出した.病理学的検査の結果,嚢胞は真性嚢胞で脾実質は広範な出血性梗塞を認めた.
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© 2016 日本臨床外科学会
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