日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵・脾に発生した炎症性偽腫瘍の1例
菅又 嘉剛奥山 隆菅又 奈々斉藤 一幸多賀谷 信美大矢 雅敏
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2016 年 77 巻 7 号 p. 1791-1796

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抄録
症例は62歳,男性.頭痛を主訴に近医を受診し当院へ紹介となった.全身のCT検査で左慢性硬膜下血腫のほか,膵尾部・脾に腫瘍性病変を指摘され当科紹介となった.上下部消化管内視鏡検査で悪性所見は認めなかった.腫瘍マーカーの上昇はなく,IL2R 1,500U/ml,IgG4 181.0mg/dlと上昇していた.FDG-PETで悪性リンパ腫の可能性もあり,手術目的に入院となった.手術所見は脾に6cm大,膵体尾部に7cm大の表面平滑で白色調の硬い腫瘍を認め,膵体尾部・脾合併切除術を施行した.術後膵液瘻を併発したが保存的治療で軽快,第27病日に退院となった.病理組織診断で悪性リンパ腫は否定され,炎症性偽腫瘍と診断された.IgG4は術後に正常化し神経症状も軽快しており,IgG4関連の自己免疫性膵炎(疑診)が示唆された.
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© 2016 日本臨床外科学会
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