心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
[症例]
子宮筋腫に対して子宮摘出後に発症した40歳台の冠攣縮性狭心症の1例
髙田 悠太朗大下 千景上田 智広寺川 宏樹
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 53 巻 8 号 p. 872-877

詳細
抄録

 症例は42歳女性.主訴は胸痛.高血圧・気管支喘息にて当院外来通院中であった.多発性子宮筋腫にて201X年1月に子宮摘出術を受ける.高血圧にてニフェジピンCR 60 mg/日を内服中であったが,同年7月頃より安静時に胸痛を自覚するようになる.ニコランジル15 mg/日を内服追加するも同様の症状を自覚している.発作時にニトログリセリン舌下錠にて改善していた.症状が持続するため,冠動脈の評価のため201X+1年5月に当院に入院した.冠動脈造影検査では左右冠動脈には有意狭窄を認めなかった.引き続き冠攣縮誘発試験を施行した.左冠動脈にアセチルコリン(ACh)50 μg投与したところ左冠動脈前下行枝および回旋枝にびまん性の冠攣縮を認め,ニトログリセリンの冠動脈内投与を行い冠攣縮は解除された.引き続き右冠動脈にもACh 50 μg投与したところ,胸痛および右冠動脈末梢に軽度の冠攣縮を認め,ニトログリセリン冠動脈内投与にて症状は消失した.活動性の高い多枝冠攣縮性狭心症と診断し,冠拡張薬を追加した.今回の40歳台女性の難治性冠攣縮性狭心症の症例を報告した.本症の冠攣縮発症の機序の一つとして,子宮摘出後の女性ホルモン低下が関与している可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2021 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top