2016 年 77 巻 9 号 p. 2180-2183
症例は結腸癌術後の64歳,女性.上記疾患の経過中に大動脈弁狭窄症および胸部大動脈瘤を指摘され手術療法の方針となり,大動脈弁置換術および上行大動脈置換術を施行した.術中所見としては大動脈弁尖の癒合を認め一尖弁の形態であった.術後経過は良好で,翌日抜管となったが抜管後呼吸不全および再挿管の経過を繰り返した.CTにて気管の圧排を認め気管軟化症の診断となった.抜管困難となり気管開存目的で気管ステント留置術施行,気管切開術施行となった.ステント留置に伴い喀痰増加を認めたが経過は良好で,現在は外来にて経過観察中である.