日本臨床外科学会雑誌
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症例
Rouviereリンパ節転移をきたした頸部食道癌の4例
竹林 克士坪佐 恭宏新原 正大島田 理子坊岡 英祐
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2016 年 77 巻 9 号 p. 2206-2211

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抄録

われわれは頸部食道癌術後外側咽頭後リンパ節(Rouviere)転移症例4例を経験した.頸部食道癌に対する初回治療は手術が3例,化学放射線療法が1例であった.症例1:術後2カ月目にRouviere転移を認め化学放射線療法を行ったが,奏効せず術後7カ月目に死亡した.症例2:術後2カ月目にRouviere単独再発をきたし,化学療法にて完全奏効が得られ術後5年生存中である.症例3:術後43カ月目に右Rouviere単独再発をきたしCRTを行い,完全奏効が得られ術後5年生存中である.症例4:初回治療のCRT後8カ月目に両側Rouviere再発をきたしサルベージ手術を施行したが,切除困難であり初回CRT後19カ月目に死亡した.頸部食道癌においてRouviereは領域リンパ節として選定されてはおらず遠隔転移として考慮される病変であるが,自験例4例中2例は治療が奏効し,長期予後が得られており,早期の再発診断,治療を行うことが重要であると考えられた.

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