日本臨床外科学会雑誌
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症例
左第4肋骨原発軟骨肉腫の1例
山仲 一輝白石 龍二谷 和行菅野 健児益田 宗孝
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2017 年 78 巻 3 号 p. 476-481

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抄録
症例は63歳,女性.胸部X線写真で左中肺野に増大傾向を示す腫瘤陰影を指摘され当院紹介受診.CT検査で左第4肋骨を軽度破壊し,その内側面から胸腔方向に突出する最大径7cmの腫瘤を認め,MRI検査ではT1強調像で低信号,T2強調像で高信号を示した.肋骨あるいは胸膜原発の腫瘍を疑い,診断・治療目的で手術を施行した.術中迅速病理で軟骨腫が疑われたが,低悪性度の軟骨肉腫の可能性も考慮し,3cmの切除縁を確保し腫瘍を含む広範切除術を施行した.最終的な病理組織学的診断はGrade Iの軟骨肉腫であった.術後は無再発で外来経過観察としていたが,手術より2年8カ月経過後に他病死(脳出血)された.軟骨肉腫の治療は化学療法や放射線療法に抵抗性で,外科的切除が適応となるが,術前に確定診断を得ることは難しく,その手術に際しては悪性の可能性を常に念頭に置き,十分な切除縁を確保した広範切除を行うことが重要である.
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