抄録
症例は56歳,女性.下痢と排便困難を主訴に来院し,下部消化管内視鏡検査で肛門縁から6cmの下部直腸に側方発育型腫瘍を認め,生検の結果,腺癌が検出され直腸癌と診断した.MRIで左側方領域に7.1×6.2mmのリンパ節を認め転移陽性と診断した.直腸癌 Rb ant-lt cT1b,cN3,cH0,cP0,cM0 cStage IIIbの術前診断で腹腔鏡下超低位前方切除術,両側側方リンパ節郭清(以下側方郭清),回腸人工肛門造設術を行った.術後13日目に退院となった.病理診断は直腸癌Rb ant,I sp+0-IIa,pT1b(11mm),ly0,v2(MP),pN3(2/38[#251(1/25) #283-lt(1/3)]),cM0,pStage IIIbであった.現在無再発生存中である.直腸SM癌でも側方リンパ節転移陽性を疑う所見があれば側方郭清をする意義はあると思われる.